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昭和56年以降の建物なら安全か?

最近では災害が多く、各メディアや自治体などの情報から建物の耐震性に関心を持たれている方も増えてきたように思われます。

なので、昭和56年(1981年です。令和になりましたので西暦表記の方がわかりやすいかも?)に建築基準法等が大きく改正されたということをお聞きになった方もいらっしゃるでしょう。1981年以降の建物なら大丈夫!!って早合点するのは ちょっと待ってください!

 

 

1981年といっても、実際に法改正されたのは6月1日です。この日以降に建築確認が取れているものがいわゆる『新耐震』といわれるものになります。

それ以前のものを『旧耐震』といわれています。従って、6月1日に建っていれば『新耐震』という訳ではありません!(ここがポイント1)

建築確認済証がおりてから建築工事が始まりますから、小規模な建物でもそれから3ヶ月程度必要となりますから9月以降となります。マンションなどはもっと時間がかかることを思えば1981年の建物が必ずしも『新耐震基準』になっているかはわかりません。

 

更に、木造建築に関しては平成12年(2000年ですね。)に更なる改正がありました。この改正は、1995年の阪神・淡路大震災をうけての改正となります。

技術的な話になりますが、1981年の改正では【壁量の増加】が規定されましたが、2000年の改定では【壁配置のバランス】と【金物の使用】が加えられました。

ということは、1981年6月以降の『新耐震』でも耐力壁の配置バランスが悪いものや、金物が使用されていない又は使用されているが現行法の規定通りに金物が入っていない建物があるかもしれないということになります。(ここがポイント2)

耐力壁のバランスが悪いと建物がねじれて倒壊したり、接合部が緊結されていないため接合部が破壊する恐れがあります。

 

不動産の売買などで「この建物は1981年以降の建物ですから『新耐震』ですから安全です」という言葉を聞かれることがあるかもしれませんが、その際はこの話を思い出して細心の注意を払っていただけると幸いです!